パニック障害の症状はすべて過呼吸から?

公開日: : 最終更新日:2014/10/10 パニック障害とは ,

パニック障害の症状は過呼吸から発生する

パニック障害の諸症状は、パニックになり過呼吸になることによって起こるものである。<アレン・フランセス(2013)『正常を救え-精神医学を混乱させるDSM-5への警告』講談社>」

この言葉は、DSM-3,DSM-3R,DSM-4など日本で精神疾患の診断に使われることの多いアメリカの診断基準を作った委員会のリーダー、アレン・フランセスの言葉です(リーダーだったのは4の作成の時です)。

パニック発作は本能(無意識)が、ちょっとしたことに反応してしまい、働かないところでいい場面で交感神経(活動的な神経)が働いて「なんでだろう、なんでだろう」と焦ったり、いや~な気持ちになって発症します。

働かないでいい場面(本来はゆっくり神経の副交感神経が働く場面)で交感神経が働く(心臓の拍動数は早くなり、汗が分泌され、呼吸は浅くなる)と、確かに過呼吸にはなりやすそうです。

そして、過呼吸になった末の症状がパニック障害の症状というのは筋道が通っている気がします。

なぜなら、パニック障害の症状と過呼吸の症状があまりにも似ているからです。

パニック障害の症状と過呼吸の症状の比較

では、ここでパニック障害の症状と過呼吸の症状を比較してみます。

パニック障害の方はDSMの診断基準から、過呼吸の方はウィキペディアの「過呼吸」のページから引用します。

パニック障害の診断基準

1.動悸・心拍数の増加
2.発汗
3.からだの震え
4.息切れ感または息苦しさ
5.窒息しそうな感覚
6.胸痛または胸部不快感
7.吐き気または腹部の不快感
8.めまい、ふらつく感じ、気が遠くなる感じ
9.現実感がない、離人症状(自分が自分でない感じ)
10.気が変になるのではないかと感じる
11.死ぬことに対する恐怖
12.皮膚感覚のマヒ、うずく感じ
13.皮膚が冷たい、または熱いという感じ

過呼吸の症状

1.息苦しさ
2.呼吸が速くなる(呼吸を深くすると胸部に圧迫を感じる)
3.胸部の圧迫感や痛み
4.動悸
5.目眩
6.手足や唇の痺れ
7.頭がボーとする
8.死の恐怖を感じる、パニックになる
9.(まれに)失神

どうでしょうか、アレン・フランセスの言葉を信じる気になりましたか?

パニック障害の症状は「パニックになる⇒パニックの症状が出る」と簡単に言われがちですけど、詳しく見ると「パニックになる⇒交感神経がいらんとことで興奮⇒そして、過呼吸になり⇒パニックの症状が出る」と言えるとアレンは言っているんですね。

僕は非常に「なるほど!!」と思い、ものすごく腑に落ちた感がありました。

呼吸は鍛えられる

それで、パニック障害の症状が過呼吸から来るとなると、症状を出ないようにしたり、軽くするためには過呼吸になりにくくすればいいわけです。

「そんなことができるんかいな」と思うかもしれませんが、できるんです。

パニック障害と過呼吸のところで詳しくお話してますが、呼吸は鍛えられます。

頑張って練習すれば、過呼吸になった時の対処法である「深い呼吸」や「息を長く吐く」ということができるようになります。

で、

過呼吸の症状をなんとかできる自信がつくと不安が減るので発作も起こりにくくなります。

単純に呼吸の練習をするのは気持ちがいいものでもあるので、ぜひともやってみてください。

症状は何もないところで起きる?

あと、パニック障害と症状ということをネットで調べてて気になったことがあります。

それは、パニック障害の症状は「何もないところで急に起きる」という書き方がされているものがけっこうあったことです。

普通の状態の人から見れば「何もないところ」かも知れませんが、パニック障害の人は過敏になっているので「何でもないこと」がきっかけとなってしまうものです。

ちょっとした五感に対する刺激の変化がきっかけとなって、考え方の変化・気分の変化が起こり、パニックとなり症状が出てしまいます。

パニック歴が長い人には当然の話かも知れませんが、パニックになりたての人は不安が減るかなと思ってお話しておきました。

まとめ

パニック障害の仕組み

「パニックを伴う対処できないショッキングな出来事⇒回復がうまくいかない⇒トラウマ的なものになる⇒また起こるのではないかと想像したりして過敏になる⇒やんなくてもいいのにいろんな事象に当てはめていく(汎化)⇒行動できない⇒パニック障害の状態に定着」

「パニック障害の状態=過敏になっているためちょっとした刺激で交感神経{闘争・逃走神経とも言う}が発動する状態」

このような感じでパニック障害の状態が定着してしまい、

本能的な危険を察知する扁桃体が活動しすぎて、必要もないのに戦闘体制に入り、呼吸や心拍数を増やしてしまう。

ウィキペディアのパニック障害のページから引用

「ちょっとした刺激⇒パニック⇒交感神経が発動⇒本来は何でもないところなのにと焦る⇒過呼吸⇒パニック障害の症状⇒なんでなんで自分っておかしいの?⇒さらにパニック」

このような感じで症状が起こるようになってしまうということです。

パニック障害になってしまって、何にも知らないままだと今までの常識が全く通用しない恐怖の世界になってしまいますが、仕組みを知ればかなり恐怖感が薄らぎパニックも起こりにくくなります。

知れば知るほど不安・恐怖は薄れます。

他のページでもパニック障害について深く探ってますので参考にしてください。

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