パニック障害と克服「僕が薬をやめるために意識した”たった一つのこと”」
目次
薬をやめるために意識した”たった一つのこと”
僕はパニック障害になって薬を飲んでいたのですが、ある一つのことを意識して治療するようにした結果、薬をやめることができました。
それどころか、薬を飲んでる時にも行けなかった美容院や歯医者まで行けるようになりました。
では、僕は一体何を意識したのでしょうか?
それは、
「自然治癒力を高めることで体(感覚受容器)を変える⇒体が変わるため外界からの刺激の受け取り方が変わる⇒受け取り方が変わると脳の反応・構造が変わる可能性が高まる(脳の可塑性)」
ということです。
僕はパニック障害は脳の反応や構造が変化してしまった状態と考えていますので、何とかしてもう一度脳を変化させようとしたのです。
これはまんまと成功し(たぶん)、薬をやめることができるまでに回復しました。
今でも、美容院や歯医者には苦手意識がありますが、何もやっていなかった頃と比べたら雲泥の差です。
さらに、薬をやめてから数年が経過してこの方法が確かに効果があると感じることがあります。
それは、何らかの原因で自然治癒力が落ちて体が弱ると、以前の調子が悪かった状態に近づくということです。
風邪をひいたり、疲れたり、変なものを食べたり、運動しなかったり、パソコンばっかりやってたりすると一気に調子が悪くなります。
それでも、数日間意識してまともな生活をすると調子も戻るので、やはり自然治癒力を高めるのは効果があると感じます。
自然治癒力を高めると、どうしてパニック障害が改善するのか?
自然治癒力を高めることがなんでパニック障害の克服に役立つのか、個人の体験談だけではなく論理的な説明も欲しいですよね。
それ相応の納得感がなければ、やる気にはならないと思います。
で、それならばパニック障害の原因を解決していくというやり方が最も理にかなったやり方になります。
僕はパニック障害を、ショックな出来事があった時に状態が悪かったためにトラウマ化し、さらに、そのトラウマが回復しなかった状態の一種と定義しています。
原因として大きいのは調子の悪い状態(自然治癒力が落ちた状態)が、トラウマになった時~トラウマが回復しなかった時を通じて続いていたことと考えます。
詳しくはパニック障害の原因のページを参照してください。
そして、トラウマが回復しなかった間に脳の反応・構造も変わってしまい、パニック障害となってしまったというのが結論です。
ですが、脳というのは変化します(脳の可塑性)。
可塑性とは難しい言葉ですが、脳は変化するものと言っていると考えておけば、とりあえずはオッケーです。
脳研究者の池谷裕二さんのホームページで、やさしく説明してありますので良かったら参照してください。
http://www.gaya.jp/research/research-purpose.htm
脳の可塑性を示す例としては、脳の半分がなくなってしまい体の片方が動かなくなってしまった人の脳が、なくなってしまった方の脳の代わりをして体が動くようになったという話は有名です。
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0312/sp_07.html
さらに、10歳まで脳の変化は激しいのですが、それ以後も変化しなくなるのではなく一生変化し続けます。
http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_488.htm
ですから、僕は脳の変化を期待して、外界からの刺激の受け取り方を変えるために(脳の変化は刺激の変化によって起こる、後述)、自分の受容器官(体)の状態を変えたということです。
それも、おそらく良いと思われる方向である、「自然治癒力が高まった状態=体にいい状態」の方向へ変えました。
パニック障害の原因(調子が悪い状態)⇒脳の変化⇒パニック障害⇒克服したい⇒再び脳の変化を期待⇒調子を良くする
どうでしょうか、論理的な説明になってますか?
それでも、体にいい状態が良さそうだと気がつけたのは、パニック障害の状態がひどくなった時にタバコと酒をやめたら状態が一気に良くなったからです。
もしタバコや酒をやめていなくて、何も気づけていなかったらと思うとゾッとします。
体の状態を良くする(自然治癒力を取り戻す)
ここからは、自然治癒力を高めることがパニック障害を克服する方法として納得していただいたと仮定して、自然治癒力を高める方法をお話します。
自然治癒力を高めていくために、大切なキーワードが「自然」です。
僕らはもともと高いレベルの自然治癒力を持って生まれてきています。
それを、この汚れてしまった社会で生きているうちにどんどんと失ってしまっているのです。
ですから、ただ「自然」な状態に戻してやるだけで、自然治癒力は高まっていくのです。
自然治癒力を取り戻す具体的な方法とは?
僕がやめたように明らかに体に悪そうなことはすぐにやめるべきです。
例えば、タバコ・大量の飲酒・ネット依存・コーヒーがぶ飲み・昼夜逆転などです。
それを踏まえたうえで重要視したい点が2つあります。
それは食事と運動です。
当然といえば当然なんですが、この2つを上手くコントロールできれば(自然に沿った形にできれば)、自然治癒力は取り戻せます。
食事
まず、食品添加物をできる限り避けましょう。
都会に住む人にとってはかなり難しいことですが、添加物を摂取しなくなると体調が激変します。
添加物が入った物を食べると気持ちが悪くなったり、香料がめちゃめちゃ鼻につくようになったりします。
僕はこういった感覚を添加物を減らすことで、生まれて初めて(現在36歳です)感じるようになりました。
あとは、農薬もできるだけ避け、遺伝子組み換え食品も食べないようにして、旬のもの、地のものを食べていれば体は良い状態になります。
変なものを食べなくなって一番驚いたのは、自分の体から嫌な臭いが消えたことです。
もちろん自分調べですが、相当変わりますよ。
運動
ご存知のとおり、現代人は圧倒的に運動不足です。
ですから、運動の量を増やすのは必須です。
セロトニンを増やすとかいうリズム運動、有酸素運動、コアトレ、ストレッチをやったりするのがいいでしょう。
そして、最近特に問題なことといえば肩甲骨や首、肩周りの硬直ではないでしょうか。
パソコンやスマホの急速な普及で、首や右肩がガチガチになり、背中が丸まってしまった人が多いでしょう。
対策としては、肩周りをほぐす運動やストレッチをたくさん覚えてこまめに実施することです(20~30分に一回)。
食事+運動+エトセトラ
そして、この2つ(食事と運動)をベースとして座禅・自律訓練法・呼吸法・ツボ・ヨガ・マッサージなどを自分なりに追加していきます。
基準としてはやってて「気持ちいい」と感じるものをやっていきましょう。
「気持ちいい」と感じるということは、体がそれを欲しているというサインです。
精神療法の達人として知られる神田橋條治先生も『精神科養生のコツ』という本の中で、「気持ちいい」を推してました。
トラウマの定着状態から脱する
こうして、自然治癒力を高め自分の状態を変えることができれば、脳に対する刺激は変化します。
刺激は体の感覚器官を通して脳に伝わっていくわけですから、体を変えれば刺激の受け取り方も変わります。
弱っていた頃にはビクついていたことにも、強化した後ではビクつかなくなる可能性があるということです。
ランダムなノイズから生み出される美しい秩序
自分が書き換えた環境が、巡りめぐって自分の行動に影響する
<池谷裕二(2013)『単純な脳、複雑な「私」』講談社>
ただ、ここまで話してきてなんですが、悲しいかな、変化・強化したからといってこれが必ず良い方向へ向かうとは限りません。
脳の仕組みは単純ではなく、新しい刺激(ノイズ)がどのような新しい秩序を生み出すかはわからないからです。
それでも、変化しない同じ刺激(ノイズ)では、新しい秩序が生まれる可能性は低いでしょう。
言い換えれば、昨日と同じ生活をして、いつまでも同じところにとどまっていては、パニック障害が改善する可能性は低いということです。
僕の場合は自分の経験(タバコをやめたなど)と「自然」の持つ完璧な調和力を信じて実践した結果、おそらく脳の反応・構造が良い方向へと変化してくれたのでしょう。
パニック障害克服まとめ
ということで、実際の克服法はトライ&エラーになってしまいますが、例え上手くいかなくてもやればやった分だけ学びがありパニック障害の克服に近づきます。
上手くいかなかったときは、こういうったものは自分には合わないんだということを学んだとポジティブに捉えてやっていきましょう。
世の中努力が報われないことばかりですが、パニック障害の克服は間違いなく努力が報われる分野です。
追伸
催眠・EMDR
催眠療法やEMDRといった治療法は、直接記憶を処理してトラウマを改善する技法です。
いろいろ調べてますが、今のところ試してみたいという気にはなりません。
直接記憶を処理するのが怖いのと、パニック障害を克服するのに使用したという例がほとんど見当たらないためです。
しかし、もし有効ならこれほどそそられる治療法はないのでやはり興味はあります。
これからも、興味津々で調べていきます。
追伸2
パニック障害のこと(もっと言えば人間のいろいろ)を勉強するというのもかなり克服に役立ちます。
精神療法において最も基礎的で重要なものが、「疾患に対する医師の説明」「心理教育」である。パニック障害は、発作の不可解さと、発作に対する不安感によって悪化していく疾患であり、医師が明確に症状について説明し、心理教育を行うことが全ての治療の基礎となる。
とパニック障害のウィキペディアのページにも書いてあります。
医師があまり説明してくれない現状では、自分で勉強するしかありません。
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