パニック障害と薬:2「製薬会社はどうやって日本にうつ病を輸出したかー僕らはまな板の上の鯉ですか?ー」
投資&お金の総合サイト「ZAI ONLINE」の7月2日の記事に「製薬会社が「病」をつくり出し治療薬を売りさばく」という記事が掲載されていました。
下のURLをクリックすると記事のページへと行けます。
http://diamond.jp/articles/-/54620
掲載されているサイトが絶妙で、確かにお金の匂いがぷんぷんする案件だと一人納得しました。
執筆は橘 玲(たちばな あきら)さんという作家さんです。
製薬会社はどうやって日本にうつ病を輸出したか
記事の内容は、最近では知ってる人が多いのかも知れませんが、「製薬会社はどうやって日本にうつ病を輸出したか」というものです。
「どういうこと?」と思った人はぜひこの記事と、引用元の記事を熟読してください。
それだけで、パニック障害に対する見方が変わります。
ちなみに、この記事は「クレイジー・ライク・アメリカ」という本に沿って書かれています。
ではここから、記事の引用と僕の見解を交えながらお話します。
日本ではそれまで、軽いうつは重度の躁うつ病とは区別され、「メランコリー」と呼ばれていた。これは1960年代初頭にドイツの臨床精神病理学者テレンバッハが提唱した「メランコリー親和型性格」に由来し、アメリカではまったく相手にされなかったものの日本では広く受け入れられた。メランコリーが、真面目・勤勉で思慮深く、他人や社会全体の幸福に強い関心を示し、秩序を求め、「並はずれて高い目標を自分に課す」人格特性とされたためだ。日本では軽うつ(メランコリー)は病気ではく、望ましい性格と見なされたのだ。
ということで、過去の日本では今は「病気」とされるものが「望ましい性格」だったんですね。
それが、
大手製薬会社は常に新製品を市場に投入していかないと利益を維持できない
という理由のために1990年代後半に日本にアメリカの製薬会社から「うつ病」が輸入されます。
僕は見たことなかったんですが、こんなCMが流れていたみたいですね。
そして、「うつは心の風邪です」と「早期受診」という薬を売るための宣伝文句が盛んに喧伝されるようになったのもこの頃です。
で、
製薬会社はまず「こころの病」をつくりだし、それから病気を治療する薬を大々的に販売するのだ。
こうして日本人も、アメリカ人と同じようにこころを病まなければならなくなった。
という状況が残念ながら日本に作り出されてしまったわけです。
なんかイメージがわかないなという人はタバコ産業を思い浮かべてもらうといいかも知れません。
昔は「カッコイイ」とまでもてはやされたものを作っていた産業が、今では社会のお荷物です。
タバコ産業も僕らの無知ゆえに成り立っていたところが大きいのですが、製薬業界のあり方もそれと酷似しています。
ですから、僕らが製薬業界の商品に対して正しい知識を持った時に、製薬業界もタバコ産業のようになるのかも知れません。
さらに製薬企業というものの理解を深めるために言うと、製薬企業などの巨大多国籍企業(メジャー)は企業の枠を超えた力を持っています。
世界に及ぼす影響力という観点から見れば、そこら辺の小国よりははるかに大きな存在でしょう。
悲しいかな、僕らを操ることなんて朝飯前でしょうね。
ということで、僕らはこういった状況下に生きています。
こういった状況を知ってるか知らないかで人生の質(QOL)が変わっちゃいますので、常にチェックしておきましょう。
追伸
セロトニンのことについても書いてあったので、やはり紹介しておきます。
うつ病がセロトニン不足によるものだという学説は、自殺者の脳やうつ病患者の髄液中にセロトニンレベルの低下が見られた、という1950年代の発見に依拠している。ところがその後、より感度の高い装置と測定法を使った追試では逆の結果が示され、1970年頃には発見者自身がセロトニンの減少とうつ病に関連性はないと認めてしまった。いまではアメリカ精神医学協会が出版した『臨床精神医学』にも、セロトニン仮説は裏づけられていないと記されている。
SSRIが脳内の自然なバランスを回復させるというのも根拠のない理論だ。実際には、SSRIは脳内の化学物質のバランスをむしろ広く変化させてしまう。
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