パニック障害の医師が書いた小説が原作の映画「阿弥陀堂だより」
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パニック障害と映画・小説・テレビ・漫画など 阿弥陀堂だより
「阿弥陀堂だより」とは
「阿弥陀堂だより」は2002年の秋に公開された映画です。
ストーリー
パニック障害になってしまった女医(美智子)とその夫(孝夫)が、パニック障害の治療のために夫の田舎へと転居するところから始まります。
そして、阿弥陀堂(阿弥陀如来を本尊とする仏堂)を守るおうめ婆さん、おうめ婆さんの言葉を村の広報誌に「阿弥陀堂だより」というコラムとして掲載する病気で喋れなくなってしまった小百合、孝夫の剣道の師匠である重長などが登場します。
お話としては、信州の山奥(監督曰く「誰もが無意識の内に持っている人間としての基本的な暮らし方の理想」の生活)で暮らすうちに、じょじょにパニック障害が快方へと向かっていくというものです。
キャスト・スタッフ
スタッフ
監督/脚本:小泉堯史
音楽:加古隆(「パリは燃えているか」で有名)キャスト
上田孝夫:寺尾聰(ルビーの指輪)
上田美智子:樋口可南子
幸田重長:田村高廣(田村正和の兄)
幸田ヨネ:香川京子
助役(小百合の父):井川比佐志
村長:内藤安彦
田辺:塩屋洋子
中村医師:吉岡秀隆(Dr.コトー)
小百合:小西真奈美(かわいい)
おうめ婆さん:北林谷栄(ウィキペデディア参照)
「阿弥陀堂だより」の言葉
「阿弥陀堂だより」を見て、パニック障害の克服に役立つと思った言葉を掲載しておきます。
7分32秒:おうめ婆さん「苦労が身に付いたいい人でありましたよ~」
21分24秒:重長「胃がんの中にいいこともありき」
46分42秒:重長「あんた病気したんだって?良いことだよ。医者だって病気してみてはじめてわかることもあるんだ」
78分17秒:美智子「いい医者ってのは謙虚じゃないといけないの」
92分45秒:美智子「重篤な疾患にかかっていても『心』を病んでいなければ病気ではないの」
116分55秒:「何事も大切なのは姿なのだ。姿は心を映す」
まとめ
「阿弥陀堂だより」はパニック障害を患っている医師兼小説家の南木 佳士の小説が原作で、自身の体験を取り入れたものになっているのでリアリティがあります。
そして、ストーリー全編を包み込む信州の山奥の生活と情景は見ているだけで癒されます。
美智子が癒されていったように「自然」というのは、パニック障害を克服するうえで非常に大切なキーワードです(裏を返せば、僕らが普段どれだけ「不自然」な生活をしているかということも言えます)。
12分に発作のシーン、91分に発症のシーンがありますが、それ以外はパニック障害の描写はないのでそこそこ安心して見られます。
映画の後半で自分が発症した当時を振り返って美智子が言う「明日を楽観できなくなっていた」という状況は、僕らの多くに当てはまるのではないでしょうか。
根拠のない外部(世界)への信頼感「なんとかなるだろう、レット・イット・ビー、ハクナマタタ、ありのままで~♫」などを思い出すきっかけとしては、うってつけの映画かと思います。
追伸:音楽も加古隆で最高です。
注:下の予告の動画は発症のシーンから始まるので、苦手な人は見ないでね。
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